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江藤 こちらは、3代に渡る菓子作りの老舗とか。まず、ご創業はいつ頃ですか。 |
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井上 豊吉(初代)
井上(豊) 昭和8年です。私は 13歳で奈良の有名な和菓子専門店に奉公に出て、25歳でこちらに戻り、店を始めた次第です。 |
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江藤 12年の長きに渡り修行を積まれたのですね。では、法人化はいつ頃に。
井上(豊) 昭和50年、西友八日市店に私どもの2号店を出店。その後、法人化致しました。
江藤 こちらのお菓子は八日市の代表的銘菓として地元の方々にも広く愛されているとの事。メイン商品をいくつか紹介して下さい。 |
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井上 祥太郎(二代)
井上(祥) 万葉集にも詠われたゆかりの地「蒲生野」の名を冠し、白餡を使った餅菓子。徳川時代から伝わる八日市名物「大凧」の名を取った、栗餡入りカステラ饅頭。中に餅の入った「太郎坊最中」などがございます。もともと私がこういった菓子の製造を思いたった理由は「八日市にしかない、この地ならではの菓子を作りたい」という事でした。で、県外への贈答品や土産物として進呈できるものをと、試行錯誤を重ねてやっと完成したのが、こちらの商品なのですよ。 |
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江藤 そうした努力の賜物であればこそ、皆様から支持されているのでしょうね。最近では、大阪を始め東京、千葉などからの注文もあると伺いましたが。
井上(祥) ええ。お蔭様で地方発送も増えてきました。こういった特産品作りを通して、私どもでは地域の活性化に貢献できればと考えています。実は昨年、関西地区にテレビ番組で、社長の開発した「あかね」という商品が紹介されまして。地方からの人気というのも、この「あかね」によるところが大きいのですよ。
江藤 時代に即した商品開発をしていらした井上製菓さんの、最新ヒット作というわけですね。ぜひ、ご紹介を。 |
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井上 清文(三代)
井上(清) この商品は、市が特産品作りに定評のある八日市南高校の生徒さんに紫草(ムラサキ)という植物を使って何か新しいものを開発してほしいと依頼したところから「高校生ブランド」とも呼ばれていましてね。新聞紙面などでも話題を呼んだのですよ。
江藤 ほう。その紫草とは、どの様な植物なのでしょう。 |
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井上(清) 今ではほとんど絶滅してしまいましたが、万葉時代、この辺りは紫草の御料地だったのです。根は消炎、解熱などの薬用効果をもち、染料としても使われていたそうです。歌人、額田王が「茜さす紫野行き漂野行き野守は見ずや君が袖振る」と詠ったことでも有名です。
江藤 「あかね」という名は、そこからとられたわけですね。
井上(清) はい。彼らの試作品をもとに、実際の商品として売れるものを、という依頼を私達で受け、完成したので、これは八日市南高校と八日市市、当社とのタイアップ作品と言えますね。江藤さん。ぜひ一つお試し下さい。
江藤 うれしいなぁ。では遠慮なく・・・。うん、あっさりとしていて美味しいですね。餡も甘過ぎず、大きさもちょうど良い。
井上(清) ありがとうございます。和菓子は餡が命です。私どもの商品は、餡の甘味を抑え、小豆をやわらかく煮て、皮の部分は取り除いて作っているのですよ。
井上(豊) 小豆屋さんにもよく「もったいない」と言われるのです(笑)。ですが、皮の入った餡は、黒っぽくて舌ざわりも違いますからね。
江藤 老舗ならではのこだわり、頭が下がります。上品な味わいは、そういう見えない部分で成り立っているのですね。
井上(清) 時間や労力は掛かっても、昔ながらの技法を大切にして行きたいと思っています。
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江藤 日持ちの点では、いかがですか。
井上(清) 保存料は一切使っておりませんので、どうしても短くなってしまいます。4日以内には召し上がって頂きたいと。
井上(祥) 先程も申し上げましたが、テレビ、新聞などで様々に採り上げて頂き、地方からの注文も相次いでおります。私どもの商品の良さを生かしつつ、日持ちの問題をクリアする事が今後の課題ですね。
井上(清) それから実は 、先日東京の武蔵野市で紫草をテーマとしたイベントが開かれましてね。私どもの和菓子もお茶会の席で使って頂けるとのこと。で、何か協力をと思い、八日市南高校では紫草を使った食品・飲料・染め物などの研究が進んでいることもあり、八日市在住の陶芸家、書家、染物士の方々も交えてイベントへの協力をお願いしたところ、皆さんボランティアでご参加下さいましてね。地域の文化継承にそれぞれの想いをもっていらっしゃる方々が、こうして紫草を通じて一同に会することが出来たことを何より嬉しく思いました。今後も、この八日市ゆかりの紫草を大切に、皆様に愛される商品作りに努めたいと思っています。
江藤 一層のご発展を期待しています。 |
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